排泄用具の活用

高齢者といっても様々です。体力だけ比較してみても同じ年代で15才も違うことがあります。そこで年齢ではなく、排泄動作をながめてみてよく見掛けるタイプを動作別に3つに分け、さらにその中で介護を要する人と、自分でできる人に分け、さらに中間が必要と思われる人をいれてそれぞれ手の動作、足腰の動作、脳神経の働きを独立して8つに分類しています。したがって、手や足腰の動作がA-1でも脳神経の判断力がC-2ということもあります。これは用具選択の目安にもしていますが、支援レベルの評価にもなります。次の生活目標につながるので良くみてください。また、寝た姿勢と座った姿勢での排泄は大きく異なっているのでもっと勉強したい人は排泄姿勢についてのコラムをみてください。

排泄動作からみた高齢者のタイプ Types of the Aged

タイプAアイコン タイプA(移動が可能な人)
手の動作 足腰の動作 脳、神経の働き
タイプA_1イラスト
A-1
立ち上がりにてすりを使う 歩行能力低下傾向 排尿、排便のコントロールはできる
タイプA_2イラスト
A-2
手の動作低下傾向(お尻を拭く、衣服の着脱不安定) 歩行能力さらに低下傾向 頻尿のためトイレの回数が多くなる
タイプA_3イラスト
A-3
すべての動作がさらに不安定 移動に介助が必要 時々漏らすことがある。
タイプBアイコン
タイプB(座位がとれる人)
タイプB_1イラスト
B-1
下着の着脱、お尻を拭く、流すの動作が不安定 ポータブルトイレでの立ち座りが不安定 精神活動レベルの低下
タイプB_2イラスト
B-2
できない動作がある。清潔が保てない。 自力では座れない。介助により座位保持可能 トイレ誘導が必要。清潔への無関心。
タイプCアイコン
タイプC(寝たきりの人)
タイプC_1イラスト
C-1
片手、または両手が使える 腰上げ、寝返りができる。座位保持への検討が必要 排尿排便のサインがある
タイプC_2イラスト
C-2
手は動くが動作は不安定 寝返りができない。褥瘡対策が必要 排便のサインがわからないので便秘が多い
タイプC_3イラスト
C-3
多少動く カテーテル管理、褥瘡対策が必要 常時失禁状態精神状態は著しく低下
排泄姿勢についてのコラム

寝た姿勢での排泄と座った姿勢での排泄はこんなにも違っています。これをみるだけでも座った姿勢での排泄がいかに有利かは一目で分かります。寝たきりであってもかなりの人は座ることができる筈です。どうしても座位がとれないならば排泄用具以外の福祉器具(たとえばリフト)を使って座位での排泄を考えたい。ともかくポータブルトイレ等を使って排泄ができれば本人にとっても、介護者にとっても一段と楽になることは間違いありません。

寝た状態での排泄解剖図 女性 座った状態での排泄解剖図 男性

<寝た状態でのの排泄・女性>

寝ていて排尿する場合、尿道口は上を向き、尿は膀胱の内圧だけで排出される。膀胱の筋肉が弱っていると尿は出にくい。また、留置カテーテルの場合先端が膀胱の底まで届かないで尿が残る場合がある。
男性の場合、側臥位で排尿を行えば多少楽な姿勢となる。(赤い点は腎臓からくる尿の出口です)
排便の場合、直腸と肛門の角度は直角になり(赤い線)、便は重力にさからって上に昇らなくてはならず、筋肉が弱っていたり、便が溜まっていると出にくくなる。

<座った状態での排泄・男性>

座って排尿する場合、尿は重力にしたがって下に落ちていくので筋肉が弱っていても尿はでやすくなる。(赤い点は腎臓からくる尿の出口です)
排便の場合は座ることで直腸肛門角が約120度と開くので(赤い線)便が出やすい姿勢となる。また、排尿、排便時に腹圧を使うこともできる。皆さんだって意識してなくてもトイレを使用中は自然に前にかがんで腹圧をかけているはずですよ。

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